この映画「八月のかりゆし」はおすすめです。
沖縄を舞台にした映画の多くは、無意味に沖縄を舞台にしていたり、
テレビドラマにした方がいいもの、
沖縄の文化や風土がズレて、ヘンテコリンな物になっているものも多いですが、
この映画に関しては、多少のズレは感じるものの、
とてもシンプル中に沖縄の風土や歴史を織り交ぜた綺麗な作品だと思います。
映画として、非常に洗練されているように思いました。
シンプルな作りですが、内容は、２、３回観ないと理解できないような、
まさにDVD用のような作品であるかもしれません。
真剣に入り込んで観ないといけない映画です。

目に見えない世界、ユタという存在、キジムナー、
沖縄が好きな人にとっては、興味をそそられることは間違いないと思います。

キャストの、松田龍平さんですが、好きな俳優さんです。
ご両親の遺伝を引き継いでいるのか、なんとも、目力のある雰囲気で、
落ち着いた中にも存在感のある演技をされています。
高校生役にしては、少し大人っぽいかなとも思いますが。

末永遥さん、Tamaさんの存在もいい感じです。
Tamaさんは元Htsteric Blueのボーカルです。

何より、失礼ながら大ウケしてしまったのが、
キギムナー役のセッちゃんこと斎藤和義さん。
監督さんは、「キジムナー役は、なにも子供にする必要が僕にはなかった」と、
言われていた通り、キジムナーという重要な存在を、
斎藤和義さんにしたところが、スゴイと思います。
もちろん、音楽監督も斎藤和義さんなので、とても、格好イイ音の構成にもなっています。

重要な役で出てくる、北川えりさんも非常に綺麗です。
さらに、重要な役の、元首相、村山富一さんもセリフは微妙ですが、
あの風貌とキャラクターはハマり役ですね。

なにより、この映画を沖縄らしく色付けているのは、
マレニの母親役のきゃんひとみさんと兼城道子さん。
きゃんさんは、沖縄の琉球放送の元アナウンサーで、
現在はフリーで活躍されています。（たしか東京在住かと思います）
沖縄では知らない人はいないくらい、県民から愛されている方かもしれません。
とにかく、明るいキャラクターと言葉はこの映画を色付けています。

兼城道子（かねしろみちこ）さんは沖縄の舞台女優さんですが、
沖縄文化や風土を重視した劇団を率いている方のようです。
こういった方が一人いるだけで、沖縄の素晴らしさが伝わってきます。

映画の中のライブハウスで突然現れるバンドは、
石垣出身のパーシャクラブ。
メインボーカルの新良幸人さんはBEGINの同級生でもあります。
沖縄民謡を取り入れたサウンドで人気があり、沖縄ではかかせないバンドのひとつです。
最近は「新良幸人 with サンデー」として活動されていることが多いです。
劇中にで出てくる、「海の彼方」という今日は彼らの代表する曲です。

長々と書きましたが、非常に少ないキャストで、
映画としての内容や、展開を重視した、洗練された映画のように感じました。

出演: 松田龍平, 末永遥, Tama(Hysteric Blue), 斎藤和義, 北川えり
監督: 高橋巌
時間: 87 分
2003年

ストーリー
アマゾンサイトより
内容（「DVD NAVIGATOR」データベースより）
松田龍平主演、男子高校生と特殊な力を持つ少女が不思議な旅路を歩くファンタジードラマ。
“ユタ”と呼ばれる霊能者の母を亡くした高校生・テル。親戚の謝花家を頼って
沖縄に訪れた彼は、この世のものでないものが見えてしまう従姉妹・マレニと出会う。

内容（「Oricon」データベースより）
キムジナー(ガジュマルの樹に宿る妖精)に導かれ沖縄で出会った3人の男女の
一夏の不思議な出来事を描いたファンタジック・ロマンスな沖縄映画。
出演は、松田龍平、末永遥、村山富一(元首相)他。