沖縄が舞台の映画

沖縄が舞台の映画/ナビィの恋

沖縄が舞台となった映画を語るには、この映画を観ないと始まらない。
数ある沖縄映画で、この映画を超える映画はないと言えるほど、沖縄映画では有名な映画。

 

沖縄映画の第一人者、中江裕司監督が一気にメジャーになった作品でもあり、また、オバアの故平良とみさんが全国区になり、沖縄のオバア=平良とみさん、と位置づけたような作品です。

 

内容は平良とみさんが演じるナビィの恋の物語をメインに、西田尚美さんと村上淳さんとの恋愛も盛り込まれています。
何度見ても心が暖まり、また、哀愁漂う映画です。

 

中江監督の映画が多くの沖縄フリークから指示をされているのは、決して、沖縄の綺麗な海や観光地を売りにするのではなく、沖縄の自然、沖縄の文化、沖縄の生活、沖縄の風土、沖縄に方の感覚をそのまま表現しているところだと思います。
沖縄が好きな人にとっては、観れば沖縄に行きたくなり、また、何度でも観れる映画を作られています。

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中江裕司監督の作品は他に
・パイナップルツアーズ(1992年)オムニバス
・パイパティローマ(1994年)
・ナビィの恋(1999年)
・ホテル・ハイビスカス(2002年)
・白百合クラブ東京へ行く(2003年)
・恋しくて(2007年)
・真夏の夜の夢 ~さんかく山のマジルー~(2009年)
などの代表作が多数あります。

 

ご本人は、1960年、京都生まれ。
琉球大学に進学し沖縄に移住されています。
学生時代から映画の作品を発表されています。

 

この「ナビィの恋」が根強い人気があるのには、別途理由があります。
ここに出演されている方々は、沖縄民謡の重鎮が数多く出演されています。
とにかく、沖縄民謡会、芸能会の大御所が、こんなにも大勢ひとつの映画に出演されるなんて、今後もないように思います。

 

 

ナビィこと平良とみさん
1928年(昭和3年)沖縄県生まれ。
2015年12月6日(87歳没)
沖縄の舞台女優の第一人者として、ファンも多い方でした。
13歳から劇団に入り、舞台女優人生を送られています。
舞台女優をしながら、小さな映画にも数多く出演されていましたが、この「ナビィの恋」で一気に有名になり、その後、NHKのドラマ「ちゅらさん」で、確実に全国区の女優さんとなりました。
沖縄が舞台の映画では多く出演されています。
生前、沖縄で平良とみさんの舞台を見せていただきましたが、舞台の上での存在感と迫力は素晴らしいものがありました。
中江裕司監督の作品へは、
パイナップルツアーズ、パイパティローマ、ホテルハイビスカス、真夏の夜の夢 ~さんかく山のマジルー~などに出演。
真夏の夜の夢の上映イベントで舞台挨拶でお目にかかったのが最後でした。

 

他、出演映画
・オキナワンチルダイ(1979年、高嶺剛)
・パラダイスビュー(1985年、ヒートゥバーンプロダクション)
・マリリンに逢いたい(1988年、松竹富士)
・ウンタマギルー(1989年、パルコ)
・うみ・そら・さんごのいいつたえ(1991年、ホネフィルム)
・パイナップルツアーズ(1992年、スコブル工房)
・きこぱたとん(1993年、「きこぱたとん」を作る会)
・パイパティローマ(1994年、ピターズ・エンド)
・GAMA 月桃の花(1996年、映画GAMA – 月桃の花を成功させる会)
・BEAT(1998年、松竹)
・夢幻琉球・つるヘンリー(1999年、高嶺プロダクション)
・ナビィの恋(1999年、東京テアトル)
・ホテル・ハイビスカス(2002年、シネカノン)
・NOEL ノエル(2003年、ギャガ)
・涙そうそう(2006年、東宝)
・恋しくて(2007年、東京テアトル)
・銀幕版 スシ王子! 〜ニューヨークへ行く〜(2008年、ワーナー・ブラザース映画)
・南の島のフリムン(2009年、ゴリ監督)
・真夏の夜の夢(2009年)

 

東金城恵達こと登川誠仁さん(ナビィの旦那さん)
のぼりかわ せいじん
1930年 兵庫県尼崎市生まれ、沖縄県石川(現うるま市)育ち。
2013年3月19日(80歳没)
沖縄のジミヘンを称されるほど、小さな時から三線の名手。
登川流の宗家もあり、沖縄民謡の第一人者。
沖縄民謡界では、重鎮的存在で三線と独特の歌声で圧倒されますが、舞台では冗談などもいいとても楽しいライブを見せてくれていました。
登川誠仁さんを知る方が、このナビィの恋に出演すると聞いて、しかも、ちゃんと役者として、出演されると聞いて、さぞかし驚かれたことと思います。
もちろん、ちゃんと俳優として演技をされたのはこの映画のみです。
残念ながら2013年に亡くなられましたが、沖縄ではまだ墓地のCMに出演されていて、亡くなられた感覚がいまだに湧きません。

 

サンラーこと平良進さん
名前からお察しの通り、平良とみさんの旦那さんです。
平良進さんも沖縄で長く俳優をされている方です。

 

ケンジこと津波信一さん(船乗り)
津波さんは沖縄のテレビやラジオで活躍されている、タレントさんです。
劇団などの主宰もさている、マルチな方です。

 

本家の長老役 嘉手苅林昌さん
かでかる りんしょう、1920年沖縄県生まれ
1999年10月9日(79歳没)
何度も琉球正装で三線を弾き歌を歌っているシーンの方ですが、嘉手苅林昌さんも登川誠仁さんと同じく(それ以上かもしれませんが)沖縄民謡の第一人者。
嘉手苅林昌さんも登川誠仁さんも沖縄民謡を語る際には一番に名前の出てくる方です。
しかし、この映画の公開の年に肺がんで死去されています。
嘉手苅林昌さんの声を最後にちゃんと録音されているのがこの「ナビィの恋」のようで、「ナビィの恋」が嘉手苅林昌さんの遺作とも言えます。

 

長老の妻・ミサコ役  大城美佐子
大阪生まれ 名護市育ち
2021年1月18日(84歳没)
女性の沖縄民謡歌手の第一人者。
大城美佐子さんも沖縄民謡を語る上では欠かせない方です。
この方の歌う姿は、凛されていてとても格好いいです。

 

長老の息子役 嘉手苅林次
嘉手苅林昌さんの次男。1956年沖縄生まれ。
現在も沖縄で沖縄民謡を歌い続けてられます。

 

オコーナーこと アシュレイ・マックアイザック
1975年生まれ カナダ出身
ノヴァスコシア州ケープ・ブレトン島生まれ。
ノヴァスコシアは18世紀末から19世紀半ばにかけて、主にスコットランドからの移住者によって開かれた土地で、スコットランドの伝統文化を継承するカナダにおける中心地のようです。
スコットランド民謡を受け継ぎながら、ロック、フォーク、パンクなどを融合させた、独特なサウンドで注目され、世界で活躍されています。

 

麗子(オコーナーの妻)役 兼島麗子
沖縄のオペラ歌手。
中江監督作品で欠かせない存在かもしれません。
沖縄でのクラシック系では欠かせない方のようです。

 

アブジャーマー男役 山里勇吉
石垣出身。
アンガマのお面をかぶって、最後のおどけて面を外すシーンがとてもオチャメです。
八重山民謡の第一人者で、大工哲弘さんを弟子に持つ、大御所です。
力強い歌声と声量で生の歌声には圧倒されます。

 

チルー(ユタ)役 吉田妙子
沖縄の女優さん。
ちゅらさん4(特番)、純と愛、瑠璃の島などの全国ネットのドラマへの出演。
今では、平とみさんと並ぶ、沖縄の大女優さんとなっています。
今、沖縄のオバァ役ができる数少ない女優さんです。
中江裕司監督作品には、パイナップルツアーズ、ホテルハイビスカス、琉球カウボーイ、真夏の夜の夢 ~さんかく山のマジルー~などに出演。

 

また、この映画で主演の西田尚美さんですが、当時はさほど有名な女優さんではなかったのですが、今では、様々な映画が女優さんになられていますね。
日曜ドラマの半沢直樹に出演されていた役と、ナビィの恋のイメージとは別人のように感じましたが、どちらもとても存在感がり透明感があるのは全く変わっていませんね。

 

村上淳さんも当時はほぼ無名に近かったのかもしれませんが、その後、シンガーソングライターのUAさんとご結婚され話題になりました。2006年離婚。
今では、様々な映画やドラマで大活躍されいますね。Vシネマなどのイメージもありますが、びっくりするほど様々な役を演じられている姿はともて頼もしいです。

 

ナビィの恋
出演:西田尚美/村上淳/平良とみ/登川誠仁/平良進
監督: 中江裕司
DVD発売日: 1999年
時間: 94 分

 

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「ナビィの恋」はアマゾンプライムビデオでサブスク拝聴できます。


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