沖縄県宮古島市の下地島空港で、全日本空輸(ANA)が約12年9カ月ぶりに実機を使ったパイロットの操縦訓練を再開しました。
2026年11月1日から始まった今回の訓練。11月6日には報道陣に訓練の様子が公開され、ANAのエアバス機が離着陸を繰り返す姿が見られました。
下地島空港といえば、かつてANAやJALがパイロットの訓練を行っていた場所で、航空ファンの間では「聖地」として知られています。
2014年1月以来、久しぶりにANAの訓練機が戻ってきたことは、航空ファンにとってもうれしいニュースではないでしょうか。
今回は、ANAの訓練再開の内容や背景、今後の予定、下地島空港で飛行機を見る際のポイントなどを紹介します。
ANAが下地島空港で12年9カ月ぶりに訓練再開
ANAは2026年11月1日から、宮古島市伊良部の下地島空港で実機によるパイロットの操縦訓練を再開しました。
ANAが同空港で訓練を行うのは2014年1月以来、実に12年9カ月ぶりです。
11月6日には報道関係者向けに訓練が公開され、エアバスA320型機を使用した離着陸訓練が行われました。
今回の訓練には、訓練生8人と教官など6人の合計14人が参加しています。
訓練の概要は以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 訓練開始 | 2026年11月1日 |
| 訓練期間 | 11月20日まで(予備日を含む) |
| 訓練場所 | 下地島空港 |
| 参加者 | 訓練生8人、教官など6人 |
| 使用機材 | エアバスA320型機 |
| 主な訓練 | タッチ・アンド・ゴー |
| 訓練エリア | 下地島空港の西側周辺 |
6日の訓練は午前10時ごろに始まり、機体は滑走路北側から離陸。その後、空港の西側を周回しながら、着陸と再離陸を繰り返しました。
タッチ・アンド・ゴーとは?
今回の訓練の中心となっているのが「タッチ・アンド・ゴー」です。
タッチ・アンド・ゴーとは、飛行機が滑走路に着陸した直後、完全に停止することなく再び加速して離陸する訓練方法です。
通常の旅客便では、着陸すると滑走路を離れて駐機場へ向かいますが、訓練では着陸と離陸を連続して繰り返します。
パイロットにとっては、着陸時の操作や機体の姿勢、速度管理、再離陸までの一連の操作を繰り返し練習できる重要な訓練です。
下地島空港では、こうした訓練機が何度も滑走路に現れるため、航空ファンにとっては見応えのある光景となります。
ANAが訓練を再開した理由はパイロットの養成体制強化
今回、ANAが下地島空港での訓練を再開した大きな理由は、パイロットの養成数増加と訓練環境の確保です。
これまでANAは、主に愛知県の中部国際空港(セントレア)で実機による操縦訓練を行っていました。
しかし、航空需要の回復やパイロット養成数の増加に伴い、訓練に使える時間や空港の枠が逼迫してきました。
そこで、訓練拠点を増やすため、下地島空港での訓練再開を決定したということです。
実際に今回の訓練を統括するANAの勝山泰彦マネジャー教官は、中部国際空港と比較して交通状況に余裕があり、計画通りに訓練を進められていると説明しています。
また、下地島空港の滑走路は長さ3,000メートル、幅60メートル。
もともとパイロットの訓練用として整備された空港だけに、操縦訓練を行う環境としても優れているようです。
下地島空港はかつて航空ファンの聖地だった
下地島空港は1979年にパイロットの訓練飛行場として供用が開始されました。
かつてはANAだけでなくJALも訓練を実施しており、全国から航空ファンが訪れる場所として知られていました。
しかし、2012年にJALが撤退し、2014年にはANAも訓練を終了。
その後、訓練空港としての利用は大きく減少しました。
2019年には新しい旅客ターミナルが開業し、現在はスカイマークやジンエアー、スターラックス航空などの定期便が発着する空港へと変わっています。
また、ソラシドエアやキャセイパシフィック航空など、航空会社による訓練機が飛来することもあります。
それでも、かつてANAやJALの大型旅客機が訓練を繰り返していた時代を知る航空ファンにとっては、少し寂しい空港になっていたのかもしれません。
今回、ANAの機体が戻ってきたことで、下地島空港に再び活気が戻ることを期待したいですね。
伊良部大橋がなかった時代、航空ファンは船で下地島へ
以前の下地島空港の訓練を知っている方なら、当時の見学風景を懐かしく思い出すのではないでしょうか。
現在は伊良部大橋が開通し、宮古島から車で簡単に下地島へ渡ることができます。
しかし、伊良部大橋が開通したのは2015年1月。
かつてANAやJALが訓練を行っていた時代は、宮古島から船で伊良部島へ渡り、さらに下地島へ向かう必要がありました。
航空ファンの中には、本土から宮古島まで飛行機で訪れ、船で下地島へ渡り、民宿に泊まり込みながら訓練機を撮影していた方もいたそうです。
特に、青い海と空を背景に、ANAのトリトンブルーの機体がタッチ・アンド・ゴーを繰り返す光景は、今でも印象に残っている方が多いのではないでしょうか。
私も以前、知り合いの航空ファンの方から、下地島空港とANAの飛行機を大きく引き伸ばした写真を見せてもらったことがあります。
その写真が本当にきれいで、下地島ならではの景色と飛行機の組み合わせは、航空ファンでなくても魅力を感じるものだと思いました。
下地島空港でANAの訓練機を見るには?
今回の訓練再開で、下地島空港を訪れてみたいという航空ファンも増えるかもしれません。
下地島空港周辺には、飛行機の撮影スポットとして有名な「17END(ワンセブンエンド)」があります。

17ENDは、滑走路の北側に位置する場所で、透明度の高い海と白い砂浜、空港の滑走路が織りなす景色が魅力です。
航空機の着陸方向や風向きによっては、海を背景にした迫力ある飛行機の姿を撮影できることもあります。
ただし、17END周辺は航空機の撮影スポットである一方、空港の管理区域や立ち入り制限のある場所もあります。
見学の際は、立ち入り可能な場所や現地の案内を必ず確認し、安全に配慮しましょう。
また、ANAの訓練は通常の定期便とは異なり、毎日の実施時間が決まっているわけではありません。
下地島空港の公式サイトでは、本日のフライト情報を確認できます。
下地島空港公式サイト:
https://shimojishima.jp/flight/
なお、沖縄県は航空会社が実施する操縦訓練の日時を原則として公表していません。訓練スケジュールが公開される場合は、空港運営会社のSNSなども確認するとよさそうです。
2027年2月から3月にもANAの訓練を予定
今回の訓練は11月20日までの予定ですが、ANAは2027年も下地島空港での訓練を計画しています。
次回は2027年2月から3月にかけて、20日間の訓練を予定しているとのことです。
さらに、今後の訓練継続についても検討されています。
ただし、中型機や大型機による訓練を実施するためには、ジェット燃料の供給体制を拡充する必要があります。
また、空港の着陸料算出基準の見直しなども課題となっています。
ANAは、こうした条件を踏まえながら、2027年3月以降の訓練継続や使用機材の大型化について検討していく方針です。
将来的に、かつてのような大型旅客機による訓練が下地島空港で見られるようになれば、航空ファンにとってはさらにうれしい展開ですね。
まとめ:ANAの帰還で下地島空港に新たな期待!
ANAが下地島空港で操縦訓練を再開したことは、航空ファンにとって久しぶりのうれしいニュースです。
今回の訓練はA320型機を使ったものですが、今後も継続されれば、下地島空港が再び航空会社の訓練拠点として注目される可能性があります。
また、訓練関係者の滞在や空港利用の増加など、宮古島・伊良部島の地域経済への効果も期待したいところです。
個人的には、あの美しい下地島の海とANAのトリトンブルーの機体が再び見られるというだけでも、うれしくなります。
いつか以前のように、中型機や大型機による迫力あるタッチ・アンド・ゴーが見られる日が来るのでしょうか。
今後のANAの訓練計画と、下地島空港の動きに注目したいと思います。
