映画『風音(ふうおん)』をご存じでしょうか。
2004年公開。上映時間は106分、配給はシグロで、監督は東陽一さんです。日本映画界の第一線で活躍し、2026年1月21日に91歳で亡くなられました。
東監督が沖縄の映画?と最初は意外に思いました。調べてみると、長編第一作が『沖縄列島』(1969年)とのこと。沖縄には早くから向き合っていた監督だったんですね。
原作は芥川賞作家・目取真俊
この映画の原作と脚本は、沖縄出身の作家・目取真俊さんです。短編『風音』が原作で、シナリオも原作者自身が手がけています。
国際的にも評価された作品で、第28回モントリオール世界映画祭のワールドコンペティションに正式招待され、イノベーション賞を受賞しました。アジアフォーカス・福岡映画祭2004にも正式招待されています。
あらすじ
舞台は夏の沖縄。強い海風が吹くと不思議な音が聞こえる「風音」の島です。
浜辺の切り立った崖の中腹にある風葬場に頭蓋骨が置かれていて、弾丸が貫通した穴を風が抜けるときに音が鳴るのだといいます。人々はそれを「泣き御頭(なきうんかみ)」と呼び、島の守り神としてきました。
ところがある夏の日、少年たちが泣き御頭に小さないたずらをします。その日から風音が止み、島の穏やかな日常にさざ波が立ちはじめます。島に生きる者、島の外から来た者、島で死んでいった者。それぞれの記憶が重なり合いながら、風音の謎が明らかになっていきます。
本部半島の集落の景色が、とてもリアル
作品の舞台は沖縄の田舎、本部半島から今帰仁村あたりの集落です。景色も人の姿も、観光映画とは違うとてもリアルな沖縄が映し出されています。
キャストは地元の方が中心。それが良い味に
主人公や子役の大半は、沖縄の一般の方です。それでも素人っぽさはまったく目につかず、それぞれの持ち味がよく出ています。
主役の清吉おじー役は上間宗男さん。沖縄県本部町具志堅の出身で、地元の海人として抜擢されました。子役についても、全員が沖縄でのオーディションで選ばれたそうです。セリフに多少ぎこちなさはあっても、全身からにじむ「沖縄の心」は、まさに地元の子どもたちだからこそだと感じました。
そこに、大人で清楚な雰囲気のつみきみほさん、加藤治子さん、光石研さんらが加わります。地元の方々とプロの俳優陣のバランスが絶妙で、キャストそれぞれがとても良い味を出しています。
戦争、DV。深く考えさせられるテーマ
沖縄の生活や風土はもちろん、戦争やDVの問題まで織り込まれた、考えさせられる映画です。美しくのどかな島の風景の中で、重いテーマが静かに、けれど緊張感をもって描かれていきます。
一つだけ気になったのは、沖縄のことを知らない人が観たら、「沖縄の田舎なら何をやってもバレないのか?」と勘違いしないかということ。……まあ、そんな方はいないでしょうね(笑)
他の沖縄映画とは違う角度から沖縄を感じる一本
沖縄を舞台にした映画はたくさんありますが、『風音』は他の作品とは違う角度から沖縄を感じられる映画です。明るい観光の沖縄ではなく、島の記憶や歴史に耳を澄ますような一本。沖縄映画が好きな方には、ぜひ観てほしい作品です。
『風音』作品情報
- 公開日:2004年7月31日
- 上映時間:106分
- 監督:東陽一
- 原作・脚本:目取真俊
- 企画・製作:山上徹二郎
- 撮影:蔦井孝洋
- 出演:上間宗男、加藤治子、つみきみほ、光石研、北村三郎、吉田妙子ほか
- 配給:シグロ
- 舞台:沖縄(本部半島・今帰仁村周辺)
視聴方法
2026年9月現在、『風音』はレンタルまたは購入で視聴可能です。配信での視聴は確認されていません。
「TSUTAYA DISCAS」でレンタルが可能です。
見たい映画を検索して、チェックを入れておくと、順番に送られてきます。返却はポストに入れるだけ。
今時、DVDって感じもしますが、ここで紹介している、ちょっと古い映画は、ネット配信されていないもが多いので、歴代の沖縄が舞台の映画を見るには、便利なシステムです。
主なプラン
定額レンタル8: 月額2,052円(税込)
定額レンタル4: 月額1,026円
都度課金(単品)
2026年8月現在
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