9・1・7で「く・い・な」の語呂合わせから生まれた記念日。世界でここ沖縄にしかいない天然記念物の生態と、出会える場所、訪れる際の注意点をまとめました。
1. ヤンバルクイナってどんな鳥?

ヤンバルクイナは、沖縄本島北部の「やんばる」地域(国頭村・大宜味村・東村)だけに生息する日本固有の鳥です。全長は30〜35センチほどで、鮮やかな赤いくちばしと脚が最大の特徴。翼はあるものの飛ぶ力はほとんど退化していて、その代わりに発達した脚でやぶの中を時速40キロ近い速さで駆け抜けます。
ミミズや昆虫、カタツムリ、木の実などを森の地表でついばんで暮らし、夜は天敵のハブから身を守るために木の上で眠るというユニークな習性も持っています。夕方には「キョキョキョ…」という鳴き声でつがいが鳴き交わす姿も見られます。
2. 発見と天然記念物への道のり
- 1981年:やんばるの森で捕獲された個体が未知の種であることが判明。「日本にもう新種の鳥はいない」と言われていた時代の発見だったため、世紀の発見として大きな話題になりました。
- 1982年:発見の翌年、国の天然記念物に指定。
- その後:外来種のマングースや野生化した猫・犬による捕食、交通事故などで個体数は一時大きく減少し、個体数が推定700羽まで減り、環境省のレッドリストでは絶滅の恐れが最も高い「絶滅危惧IA類」に分類されました。近年は保護活動の成果で約1,500〜1,700羽まで回復傾向にあるとされています。
3. 会いに行ける施設「クイナの森」
ヤンバルクイナを間近で観察できる貴重な施設が、国頭村安田(あだ)の「安田くいなふれあい公園」内にあるヤンバルクイナ生態展示学習施設「クイナの森」です。生息環境を再現したガラス張りの観察ブースがあり、野生ではめったに出会えないヤンバルクイナの姿をいつでも観察できます。
ちょうど今日、9月17日は施設にとっても節目の日。これまで展示されていた2代目「クー太」に代わり、8月から3歳の雌が新たに暮らし始めており、人に慣れるかどうかを見極めながら3代目としての正式デビューを目指しています。施設ではこの日に合わせて、来館者に交通事故防止の啓発シールやクイナの缶バッジなどを先着で配布するイベントも行われます。
- 施設名:ヤンバルクイナ生態展示学習施設 クイナの森
- 所在地:沖縄県国頭郡国頭村安田(安田くいなふれあい公園内)
- 楽しみ方:解説員によるガイド付きで、生態パネル展示とライブ観察の両方が楽しめます
ちなみに、「クイナの森」へは那覇から2時間30分から3時間かかる場所です。名護からでも1時間半は必要です。
また、沖縄市の「沖縄こどもの国」でもヤンバルクイナを見ることができます。
2026年は9月19日・20日に「クイナの日イベント」が開催され、ヤンバルクイナの限定公開や特別ガイド、やんばるの自然について学べるイベントなどが予定されています。
やんばるまで行くのが少し大変という人は、こちらを訪れてみるのもいいでしょう。
「沖縄こどもの国」では、一か所での飼育による災害や感染症等のリスクを避けるための危険分散として、ヤンバルクイナを飼育していますが、通常は一般公開されていません。
4. やんばるの道を走るときの注意
クイナの森へ向かう道のりは、やんばるの森を貫くカーブの多い山道です。道中には「ヤンバルクイナ横断注意」の標識が立っており、実際に道路を横切る個体もいるため、車での移動には次のような配慮が欠かせません。

⚠ 運転時に気をつけたいこと
- 制限速度を守り、見通しの悪いカーブでは速度を落とす
- 「動物飛び出し注意」の標識付近では特に慎重に
- 薄暗い時間帯(夕方〜夜間・早朝)は野生動物の活動が活発になるため注意
- 路上に鳥影を見つけたら無理に避けず、まず減速する
交通事故はヤンバルクイナの個体数減少の一因にもなっており、地元では啓発ステッカーの配布などの取り組みも続けられています。北部を訪れる際は、貴重な生き物が暮らす森を走らせてもらっているという気持ちで、ゆとりを持った運転を心がけたいですね。
参考:琉球新報デジタル「クイナの森に3代目候補」(https://ryukyushimpo.jp/national/entry-5514862.html)
